一文字(松本奉巳) 切れ波止(越智義則) ソロバン(上田 敬,西村 文夫) 
 新波止
(熊懐 弘毅) テトラ(西島 祥一)  前打ち(鳥喰 真悟)

博多湾沖の防波堤「ソロバン」の攻め方

上田 敬

  ここソロバンの特徴は、広くあいた“ます”と円形のコンクリート柱で出来たスリットです。
 攻め方は大きく分けて二通りあります。

*最初に、「よく晴れてベタなぎの午前中のパターン」
 スケスケで刺激がなくて眠いのか、チヌは喰い気がなくボーっと浮いている事が多いのだが、気配には敏感でスーッといなくなってしまうので、身を乗り出さないように落とす事が大事です。特に真下に覗きこむようにして落とさない事。
  仕掛けは3.9mの竿、もしくは3.9/4.5のアジャスト出来るタイプのものを使い、道糸3号、目印(2.5号、3号)2〜2.5m。ハリスは1.2〜1.5号を約1ヒロ。ハリはカラス貝の大きさに合わせ伊勢尼10号〜丸貝専用の6号。エサはカラス貝の1.5〜2.5pを使い、ガン玉は無しか3号程度のごくごく軽い仕掛けにします。

 落とし方は、円柱に当てるかその円柱に巻き込むように、出来るだけカラス貝を近付けて落とします。
 まず進行方向へ竿を突き出し、自分が立っている場所から2〜3m位前の柱に向けて50p位ハリスを立てたままエサを差し込み、それからパッと竿先を沖側に振る。そうするとハリスが斜めに傾き、そのまま目印かもしくは腕の操作で(ラインを少し引っ張る…)ラインにテンションを掛けながら落とすと、カラス貝の向きが斜めになり、自然と斜めにヘチ方向に(柱方向に)落ちて行くのです。これを3〜6mおきに間隔をあけながらやって行くのです。同じ所で何度も繰り返すのはダメなのです。一度警戒すると、しばらくは出て来ない渓流のヤマメ釣りをイメージして下さい。

 アタリは止めアタリか、止めた後ラインか穂先がフワフワもしくはピリピリ揺れて、その後ゆっくり斜め下に引き込むパターンが多いでしょう。

*次に「お昼前から海風が強くなり、荒れた午後のパターン」
 よく晴れた日はお昼前から海風が強くなる事が多く、濁りが出てチヌの喰い気が立つのですが、それと同時にラインがふけ上がり、竿も振り辛くなり、ほとんどの方が竿をたたんでしまいます。しかしながら、本当はこれからが狙い目なのです。
 
  まずガン玉を3B位の重いものに取り替え、ハリスもサイズアップし2号程度に張り替えます。エサのカラス貝は3〜4p位のよく目立つものか、1・5p位の小さいものかどちらかにします。小さいカラス貝は水の抵抗を受けにくくスーッと落ちてくれるのです。
  ポイントはやはり柱の周りで、柱の真正面を出来るだけ柱に近づけて落としてみて下さい。このときも3〜6m間隔でどんどん移動しながら落とすといいでしょう。
  アタリはビタッと止めるか、いきなりの引き込みアタリが多いでしょう。
 
  狙い目の潮位は、海面とスリットの天井の間が少しあくときで、ベタなぎの日でもこのときだけはバシャバシャ海が騒ぎます。特に、満潮から少し下げ出したときがベストです。   それ以外には、濁りが入った日の干潮の底狙いが大穴です。
 
 それでは頑張ってみてください。 



西村 文夫(短竿の場合)

 短竿のキザミ

   つけえさの落下スピードに合わせて一定の糸ふけをつくるのは、その日の潮流、風の強弱、餌の種類、その日のガンダマ、状等複雑な要因の中で、結構な熟練を必要とします。

   一定の糸ふけかできないと中々アタリをとることができません。(さお先にくる引き込みあたり、ビタ止めのあたりはべつですが、その場合反応が遅れて悔しい思いをすることが多いですね。)キザミの方法は比較的簡単に糸ふけのアタリを出しやすくお勧めの方法です。

   仕掛けの落下スピードに合わせて、糸ふけを作りながら50センチから1M竿先を下げて止め、ラインがまっすぐなったら又すぐに竿先を下げる、この繰り返しで仕掛けの落下に変化が出ますし、ラインの変化(アタリ)も判別しやすくなります。

短竿の仕掛けについて

    短竿は竿先を付け餌の合わせて竿先を下げ綺麗な糸ふけ(弧を描くように)を作ることがつり方の基本と言われていますが、仕掛けの選択や、仕掛けのメンテナンス次第であたりが出ないということになり兼ねません。
    特に道糸の選択は重要です。道糸はしなやかで癖がつきにくいものがベスト!ナイロン系より、より糸系(例えばシーガーYやテクミー等)はしなやかでかた伸びをしないため巻き癖がつきません。又餌の回転で糸がねじれても影響を受けずに常に綺麗な糸ふけが作れます。
 
   ナイロン系でもR社落とし込みラインはしなやかです。しかしおろしたては良いのですが魚とのやり取り、無理なラインへの負荷、リールでのイトガミ等のライントラブルによりかた伸びが発生しますし、餌の回転によるラインのねじれは綺麗な糸ふけの障害となります。より戻しを使用していても、ラインのねじれを防止することはできまん。
    ただナイロン系の道糸の利点も沢山あります。一番はラインに弾力性があるためハリスや竿への負荷が軽減されることでしょう。ナイロン系を使う場合はかた伸び、癖のこまめなチェックと確実によりを戻すことが必須となります。釣行後はラインの先端7〜8Mをカットしてしまうことを進めます。

    より糸にも欠点はあります。まず第一は魚とのやり取りの際発生するガイドへの負荷が大きすぎ通常のミニクロガイドの消耗が激しすぎること。ラインに弾力がないため、ハリスや竿への負荷が大きく体全体を使った魚とのやり取りが必要です。又、ねじれても綺麗な糸ふけはできるのですが、反面穂先への糸がらみが頻繁に発生します。その都度釣りを中断し糸がらみをほぐす作業は非常に煩わしい物です。最近中通しの短竿が見られるようになりましたが、より糸の道糸とは良く合うのかもしれません。

    より糸系の強度は非常に強いため号数を落とすことが可能です。私はより糸系の1.2号1.5号を使っていますが2号3号の道糸より、微妙なアタリも出しやすいのではないでしょうか。これらを総合すると道糸はより糸系に若干の歩があると思います。

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